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インスペクションの活用で中古住宅の質をUP

インスペクションを利用することで、中古住宅でも新築物件のように品質保証をすることが可能になります。インスペクションとセットになった保険が登場し、さらに安心して売買することができるようにもなりました。 インスペクションと保険の現状及び有効性について説明します。

インスペクションって本当に信頼できる?

インスペクション実施にあたっては、いろいろ不安に思う点が出てくるのは当然のことです。 検査に来る人のスキルに対する心配はもちろん、仲介業者や買主に加担しているのではないかという疑いや、不当に高額なリフォームの勧誘をされるのではないかという不安もあるでしょう。 インスペクションは、国が定めた「既存住宅状況調査技術者」の資格を持つ建築士でなければできませんので、スキルについてはさほどばらつきがなく、問題ありません。

また、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」にはインスペクション実施者は仲介業者やリフォーム業者から便宜的な供与を受けないことや、守秘義務を負うことなどが定められています。 このため、住宅の現状について良い点も悪い点も含め、正確で公平な診断とアドバイスが受けられるようになっていますし、勧誘などをされることもありません。現状では、インスペクションはかなり安心して利用できるサービスとなっています。 不安があるとすれば、インスペクションは目視中心の検査ですので、住宅の欠陥をすべて発見できるわけではない、ということがあげられます。引き渡し後に重大な欠陥がみつかる場合もあるのです。

しかし、こうしたケースに備えることができる専用の保険「既存住宅売買瑕疵保険 」も用意されているので、心配ならば加入を検討しても良いでしょう。 このような状況ですから、インスペクション済みの物件に対する信頼度は非常に高くなっています。

今後は、中古住宅が増える可能性あり?

インスペクションの普及によって住宅の価値が可視化されることがスタンダードになれば、中古住宅を買うことへの不安感が薄れます。 今まで新築物件にこだわっていた人も、中古物件を選択肢に入れるケースが多くなるでしょう。買いたい人が増えれば売る側も積極的になれますので、今後は中古住宅の売買がますます増えていくことが予想されます。

既存住宅売買瑕疵保険とは?

中古住宅をさらに安心して売買することができるようにと2016年から開始されたのが、「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」です。 瑕疵とは、建物の柱や基礎などに重大な欠陥があることで、目視だけのインスペクションでは発見できない場合もあります。 インスペクション済みの住宅を購入後に、瑕疵が見つかったときに、買い手がきちんと補償を受けられる仕組みが既存住宅売買瑕疵保険なのです。

既存住宅売買瑕疵保険には「宅建業者販売タイプ」「個人間売買タイプ」があります。前者は不動産業者が中古物件を買い取り、販売するときに加入します。 後者は個人の売主向けのものですが、実際に加入するのはインスペクションを請け負う業者です。

少しわかりにくいので仕組みを整理すると、下記のようになります。
1.売主から検査機関に物件の検査と保証を依頼する
2.検査機関が対象物件の検査を実施し、保険会社に加入を申込む
3.保険会社による再度の検査の後、保証を開始


買主や仲介業者が、検査と保証を依頼することも可能です。保険に加入するには当然のことながら保険料と検査料が必要ですから、誰が負担するのかをあらかじめ決めておくようにしましょう。 それから保険会社による検査の結果、不合格となる場合もあるので、そのときの対処方法についても事前に考えておくことをおすすめします。

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