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不動産コラム

売却

「高額なだけの査定」に注意

 「〝査定額=売れる金額ではない〟」というのは、前項でお伝えさせていただいた通りです。
しかし、高額な査定額を提示されると「え?こんなに高く売れるの?」と喜ばれる方も一定数いらっしゃいます。この思想に付け入り、「高額なだけの査定」を提示する不動産業者が存在します。業界用語では、「高取り」や「高値取り」と呼ばれる悪徳な手法です。

◆「高取り」の裏側

たとえば、上記図のように各社による査定額に幅がある場合、「C社なら高く売ってくれそう」と思いますか?

 他2社が、3000万円前後の査定額を出しているにもかかわらず、C社のみ1000万円も高い。
 こんなケースでは、C社に対して「なぜその査定になったのか?」と必ず聞くようにしましょう。そしてその説明を聞くときには「自分が買主だったら差額に納得するか」という視点をもって聞くようにしてください。もし買主の立場で納得させられる説明ができるとすれば、C社の担当者が凄腕なのかもしれません。しかし、A社やB社のほうが説得力が高く、C社が特別な根拠もなく「4000万円で売れるはずだ」としているのならば、C社の査定額は信用に値しないといえます。 

   悪質な不動産会社が「高額なだけの査定」をする理由は、売却依頼を他社に取られないため。依頼欲しさに、売れる根拠もない高い査定額を提示してしまうのです。査定額が適正価格よりも著しく高ければ、購入検討者には見向きもされません。しかし、依頼だけがまず欲しい不動産会社も、それは百も承知です。

売主様が不安になってきたタイミングを見計らって値下げを迫り、結局は時間だけかけて適正価格で売る……というのが末路です。

◆悪質な不動産会社を選ばないことが大事

不動産会社によるこういった一連の悪質な行為は「干す」と呼ばれています。
「高取り」や「干す」といった行為は、不動産売却の経験に乏しい売主様を食い物にする許しがたいものです。しかし残念ながら、このような悪質な不動産会社も存在するのは紛れもない事実。これから不動産をご売却をされる方にいたっては、どうかこのような悪質な不動産会社を選ばないように気を付けていただきたいのです。不動産会社を決めるのは、売主様にほかなりません。

 後悔しないご売却の実現には、やはり「正しい情報」を根拠とした「正しい判断」が必要となります。
まず、高額なだけの査定に騙されないよう、周辺の相場はどの程度なのかは必ず知っておくようにしましょう。そして、売却査定は必ず複数社に依頼すること。これも大事なことです。

  ご自身で販売中の物件情報を調べたり、机上査定で受け取った資料を見てみたりすることでも、相場価格の把握は可能です。自力での把握が難しいと感じたら、我々業者をうまく使って頂けると良いと思います。

  売却査定は、単に査定額を知ることが目的ではなく、不動産会社を見極めるため、そして適正額を知るためのものです。「正しい情報を見極める力を付ける」「正しい判断をするための情報収集をする」これらの活動を通し、知識の補完と、業者の選定を並行して進めていきましょう。売却を成功に導き、売主様の助けとなるような信頼できる不動産会社を選んでいただけたら幸いです。

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