マンションの固定資産税の納税通知書は毎年4月頃に自宅に送付されますが、金額が思ったより高い…と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。固定資産税の基礎知識や支払時期について解説します。
◆ 固定資産税とは?
「固定資産税」とは、1月1日時点で所有している固定資産(家屋や土地など)に対し、市町村に支払う税金のことです。この固定資産税は、所有している限り毎年支払うもので、購入後何年か経てばなくなるものではありません。
◆マンションの固定資産税の金額は?
マンションの固定資産税は、購入価格や築年数、専有面積などの要素によって変動はしますが、おおよそ10万円~30万円程度です。
◆マンションの固定資産税の支払い時期は?どのように払う?
ほとんどの地域で、固定資産税の支払いは1年分を4回に分けて支払います。1年分を一括で支払うことも可能で、納税通知書には、分割納付用の用紙と一括納付用の用紙が同封されています。ただし、地域によって支払時期は異なりますので、お住まいの地域のホームページを参照しましょう。
主要都市の固定資産税の支払時期は下記の通りとなります。
東京都:6月・9月・12月・翌年2月 ※参考:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
大阪府:4月・7月・12月・翌年2月 ※参考:固定資産税|大阪市ホームページ
福岡市:4月・7月・12月・翌年2月 ※参考:福岡市 固定資産税(納税方法等)
◆納付方法
◆各地域の固定資産税課
◆銀行
◆郵便局
◆コンビニ
◆口座振替
◆クレジットカード支払い
◆QRコード決済(PayPay、LINE PAY)
※お住いの地域によって納付方法は異なりますので、詳しくは各自治体にお問い合わせ下さい。
◆新築・中古マンションの固定資産税のシュミレーション
新築マンションと築10年の中古マンションそれぞれにかかる固定資産税をシュミレーションしてみます。
【計算条件】
●専有面積:100㎡
●土地の評価額:3,000万円
●建物の評価額:800万円
■新築マンションの固定資産税の場合
まず、面積が200㎡以内の土地の場合土地の固定資産税が6分の1になります。また、新築マンションであることから、新築住宅の減税を受けることができますので、建物の固定資産税が2分の1になります。
上記より、固定資産税は以下の通りとなります。
(a)土地の固定資産税=3,000万円×1/6×1.4%=7万円
(b)建物の固定資産税 = 800万円 × 1/2 × 1.4% = 5万6千円
(a+b)固定資産税 = 7万円 + 5万6千円 = 12万6千円
■築10年の中古マンションの固定資産税の場合
続いては築10年が経過した中古マンションの場合について考えてみましょう。築10年になると、新築マンションに関する減税がなくなり、一方で、経年劣化が進むことから建物の評価額が減少します。築10年の場合、以下の経年原価補正率表より73.97%となりますので、建物評価額は800万円に73.97%をかけて592万円となります。
経年減価補正率表
上記の建物評価額を用いて固定資産税の金額は以下の通りとなります。
(a)土地の固定資産税 = 3,000万円 × 1/6 × 1.4% = 7万円
(b)建物の固定資産税 = 592万円 ×1.4% = 8万3千円
(a+b)固定資産税 = 7万円 + 8万3千円 = 15万3千円
■築30年の中古マンションの固定資産税の場合
築30年の場合、先にも示した経年原価補正率表より30.59%となりますので、建物評価額は800万円に30.59%をかけて245万円となります。
上記の建物評価額を用いて固定資産税の金額は以下の通りとなります。
(a)土地の固定資産税 = 3,000万円 × 1/6 × 1.4% = 7万円
(b)建物の固定資産税 = 245万円 ×1.4% = 3万4,300円
(a+b)固定資産税 = 7万円 + 3万4,300千円 = 10万4,300千円
◆マンションの固定資産税は戸建てより高い
マンションでも一戸建てでも固定資産税はかかりますが、その金額には違いがあり実はマンションの方が高くなりがちです。
簡単に背景を伝えると、マンションの場合鉄筋コンクリート構造のものが多く、その結果木造でつくられることが多い戸建てよりも丈夫で長持ちすると判断されることから建物評価額が高く見積もられるためです。