道路の種類
今回は「道路の種類」についてご紹介します。
相続予定の実家があるのですが、親に、家の前の道路は私道ではあるが、相続をした後に建て替えや売却をすることはできるはずだと言われていたのですが、私道とは一体どういうものなのでしょうか。
まず、道路は公道と私道に大きく分けられます。公道とは国や地方自治体が管理している道路が公道です。一方私道とは、個人が所有・管理している道路のことです。
確かに私道は私の道という字ですよね。
はい。次に一般的に私道は個人が単独で所有しているか、複数の個人が共同で所有しています。
複数人で所有している場合もあるんですね。親が言っていた建て替えは問題ないのでしょうか。
公道でも私道でもその道路が建築基準法の道路であり、敷地が2m以上接していれば、建物の建築許可は得られます。
よかった~
ただ、法的には問題なく建築できる敷地でも、建築の工事ができない場合があります。
え?何でですか?
はい。私道は維持・管理も個人の責任と負担で行います。例えば、複数の人が共同所有している道路に埋設している水道管や下水管が老朽化のため、補修や交換をする場合などは、私道の所有者が共同して私道の掘削や復旧をします。
確かに個人で所有しているのでそれは必要ですね。
はい。そのため、私道の持ち分を持っていない人が、いざ、建物を建て替えしたり、上下水道の引き込みをしたりする場合、勝手に道路を掘ったり、工事車両を通行させることはできません。
その場合、どのようにすればいいのでしょうか。
私道の持ち分を持っている所有者全員からの道路掘削承諾書や、通行承諾書のいわゆる許可が必要になります。
なるほど。所有者方から許可を頂ければいいんですね。
はい。ただ、私道の持ち分を持っている人たちとの関係が良好であれば承諾書を得ることが可能ですが、多額の承諾量を要求されることもあります。また、近隣との仲が良くないなどの理由で承諾が得られないケースもあります。そうなると、せっかく建築の許可を得ることができても、工事事態ができません。
その場合、建て替えができないということですよね。
はい、そうですね。また、建築ができない不動産では、売りに出しても買う人がいないということになってしまいます。
どうしたらいいのでしょうか?
はい。親御さんが元気な間に解決しておくことがベストですね。私道で最も大きな問題は、承諾許可が取れないということです。親御さんの代では、近隣との付き合いもあるため、そのような問題があっても解決できる可能性が高くなりますが、子供同士の代になると、近隣関係も逆になり、簡単に承諾してもらえないとこが少なくありません。
確かに、親は近隣同士仲がいいけど、私は正直あまり付き合いがないです。
そうですよね。ですから、相続予定の不動産問題は早めに把握し、解決方法を探る必要はありますが、親御さんが元気な間に解決できるように、日頃から親子のコミュニケーションを持ち、問題を共有しておくことが大切です。
先延ばしにしがちだけど、きちんと話し合った方がいいですね。
そうですね。特に、私道の問題は法律的に複雑で、人間関係も絡んでくるため、お近くの不動産会社の専門家のサポートを受けながら早期に解決を図ることをおすすめします。
分かりました。ありがとうございます。