
2025.09.24
同居したのに「小規模宅地等の特例」が使えない?どうして?(施設に入ったときに住所を動かすと、思わぬ落とし穴になるお話です)
長男のQさん家族は、父が老人ホームに入ったのをきっかけに、実家へ引っ越して同居しました。
「これで相続のとき、家の土地の評価を大きく下げる特例(小規模宅地等の特例)が使えるはず」と考えていました。
何が起きたの?
父の住民票を老人ホームへ移していたため、税金の世界では「父の最後の住まいは老人ホーム」と見なされました。
その結果、実家は「父が亡くなる前に住んでいた家」ではない扱いになり、特例が使えないと判断されたのです。
数字でみると、どれくらい違う?
- 父の自宅の土地評価:7,000万円。建物や預金などを合わせると約1億円。
- 相続の基礎控除:5,400万円なので、残り4,600万円に税金がかかる計算。税率15%で、相続税は約490万円になりました。
- もし特例が使えれば、土地7,000万円の80%が評価減(=大きく安くなる)ので、相続税はかからない可能性が高かったのです。
何が問題
住民票を施設へ動かしたせいで、書類の上では「最後に住んでいた家=老人ホーム」。
だから、実家は“最後に住んだ家”ではない扱い→特例の条件を満たさない、という流れです。
生前にできた工夫は?
- 住民票は安易に動かさない。動かす必要があるときは、専門家に要件確認をしてから。
- 実家の一部が空いているなら賃貸に回す準備をしておくと、貸付用宅地の減額が使える場合もある。
- 「特例は必ず使える」と思い込まない。適用の有無で税額が数百万円変わるので、事前確認が大切。
今回のまとめ
- 同居していても、住民票を施設へ移すと「特例が使えない」ことがある。
- 数字でみると、約490万円もの差に。条件の確認と準備が肝心。
- 使えないと分かったあとでも、評価・控除の見直しや分け方の工夫で負担を減らせる余地はある。




